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Inter Proto 2018 Series Race Rd.7-8 インタープロトシリーズ 第7戦-第8戦 富士スピードウェイ

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中山雄一チャンピオンを惜しくも逃し
シリーズランキング2位に終わる

第3大会のジェントルマンクラスでは末長選手が2戦ともに完走し、成績以上の安定感が大きな収穫だった。一方、プロフェッショナルクラスでは中山選手が3位、4位でゴールしたことによってランキング2位に浮上。ポイントリーダーの坪井翔選手はマカオGP参戦のため欠場しており、中山選手の王座返り咲きも現実のものとなってきた。ただし、チャンピオンを争うライバルたちとは僅差で、大激戦は必至。

土曜日の富士スピードウェイは好天に恵まれて、グランドスタンドの向こうにそびえる富士山は、頂に雪を乗せた姿を青空にくっきりと映し出していた。その様子は今シーズンのフィナーレを、しっかり飾ってくれと言わんばかりだ。
最初に行われたのは、ジェントルマンクラスの予選。いつもどおり20分間の計測を末長選手は、余すところなく走り続けた。金曜日の専有走行2回目には好感触をつかんでいた末長選手は、計測2周目には1分51秒台に乗せたものの、そこからの伸びが今ひとつ。セクター自己ベストタイムは何度も記すのだが、それを1周にわたってつなぐことができずにいた。
それでもセッション折り返しのあたりで、1分50秒639をマーク。総合8番手、Gクラスの4番手から決勝レースに臨むこととなった。

「昨日走って、専有走行の1回目はあんまり良くなかったんですが、2本目でちょっと感覚取り戻して来たので。いい感じで予選に挑めるかと思ったんですが、思ったよりもペースが上がらなくて。ところどころコーナーでミスがあったので、そのあたりうまくまとめられていれば、49秒台は出たと思うので、ちょっと悔しいです。この後の決勝で、どこまで前の2台に着いていけるかというのが、ポイントじゃないですかね。中山選手に教えてもらったことをいろいろ試して、無線でアドバイスもらいながら走ったんですが、もうちょっとうまく噛み合っていれば。まだまだ我ながら伸び代はあると思いますし、まだ予選ですから。しっかり決勝に臨みたいと思います」(末長選手)

続いて行われたプロフェッショナルクラスの計測は15分間。末長選手からタイヤの発熱が、予想以上に鈍かったことを伝えられた中山選手は、入念にウォームアップを行ってからのアタックとなった。計測3周目から右足に力を込めて、まずは1分45秒613をマークし、さらに次の周には1分45秒137にまで短縮を果たしてトップに躍り出る。これで走行を終了し、ピットに戻った後に1台の先行を許してしまうも、第1レースを今季初めてフロントロースタートとなる2番手から挑むこととなった。

「マシンの個体差が若干ある中で、セクタータイムをベスト ベスト ベストで、みんなと同じぐらいでつなげられたので、僕の予選としてはかなり満足のいく内容でした。直線がトップ3の中ではちょっと遅いので、頑張らないとなかなか難しいと思いますが、1周目に前へ出て、抑え切る作戦を採るつもりです」(中山選手)

15周で争われるジェントルマンクラスの決勝レース第7戦は、土曜日の午後に行われた。予選に引き続き、少々肌寒いがコンディションは上々、まさに絶好のレース日和となっていた。
まずはポジションキープのGクラス4番手から、末長選手はレースを開始。早々に後続を引き離し、2周目には前との差が1秒を切るまでとなるが、それ以降のペースが伸び悩み、徐々に間隔を広げられてしまう。それでも5周目から7周目にかけて1分51秒台を連発し、リズムをつかみかけていたのは間違いない。
そんな中、11周目のヘアピンで3番手を走行していた車両がスピン。脇をすり抜けて3番手に浮上したのだが、完全に止まりきっていなかったことから慎重に抜いていったことで、ロスも抱えたばかりか、タイヤから熱も奪われてしまう。ペースが思うように上げられなくなり、14周目のコカコーラコーナーで抜き返されてしまったのだ。最終ラップに意地の走りを見せ、コンマ差まで迫ったものの、逆転は許されず。総合8位、Gクラス4位でのゴールとなった。

「なかなか……。慎重に走り過ぎたというか、リズムがつかめないまま今日は終わってしまいました。今日は仕方ない。この悔しさは明日につなげます」(末長選手)

10周で争われるジェントルマンクラスの決勝レース第8戦は、日曜日の午前に行われた。これが末長選手にとって、今シーズン最後のレースだけに、絶対に悔いは残したくないところ。第7戦に続いて総合8番手、Gクラス4番手からのスタートとなるが、ひとつでも順位を上げてフィニッシュしてくれることが期待された。
青空が広がった土曜日とは異なり、上空に灰色の雲が浮かんでいたが、どうやら雨が降り出しそうな雰囲気はまったくない。何にも邪魔されずにレースできそうだ。レースウィーク2度目のスタートをそつなく決めた末長選手は、オープニングラップのうちにひとつポジションを上げてGクラスの3番手に。前とも遅れを取らずに続き、さらに2周目にはEクラスの2台が1コーナーで接触し、その処理も巧みに行った末長選手はGクラスの2番手に、そして総合でも4番手に浮上する。
しかも、3周目に差し掛かった時点でトップとの差は、わずかコンマ4秒。その差が4周目になっても縮まらなかったこともあり、1コーナーで勝負をかけた末長選手。だが、その直後にブレーキがロックしてスピンを喫し、ボディ右サイドをアウト側のウォールにヒットしてしまう。外板に負ったダメージはそれほどでもなかったが、足まわりは前後ともアームが折れており、再走行はかなわず。無念のリタイアを喫することとなった。
第7戦とは対照的に、リズムを取り戻していただけに欲も出てしまったのだろう。その結果、シリーズランキングは6位に終わったものの、末長選手の挑戦はまだ続く。来たる3シーズン目に大きな飛躍を果たすことと期待したい。

「ちょっと頑張り過ぎました。もうちょっと落ち着いていけば良かったんですが、トップとの差もだいぶ詰めていけたので、もう2、3周、冷静にいけば良かった。ただ、昨日の課題、いろんな形で中山選手に渡されたものを、少ない3周の中で改善というか、走りを変えられたのは良かったです。この感覚を忘れないうちに、もう1回練習して、来年は3シーズン目になるので、しっかり戦いと思います。昨日のような不完全なレースで終わっていなかったから、結果としてはリタイアして出なかったんですが、自分自身の走り、スキルの向上も自覚できたので、これでおしまいなのが残念です。このクルマの特性がやっと分かってきたところなので、このオフにはしっかり走り込みたいと思っています」(末長選手)

末長選手の無念を晴らすには、絶好のお膳立てが整っていた、プロフェッショナルクラスの決勝レース第7戦。中山選手はフロントロー、2番手からのスタートとなるからだ。まずは8周で争われた。マシンの修復が完全に済んでいたのは、直前に行われた同乗走行で確認済。不安を少しも残すことなく、マシンはグリッドに並べられた。
スタート直後の混乱もなく、まずは2番手で1コーナーに飛び込んでいった中山選手だったが、2周目の1コーナーで1台の先行を許す。前を行く2台との差は徐々に広がっていったのに対し、ストレートが厳しい中山選手の背後には、周を重ねるごと1台、また1台と続くようになり、やがて3番手を4台で争うように。背後の3台は、いずれも中山選手とタイトルを争う相手。本当の勝負どころである第8戦にタイヤを残すため、無理は禁物と判断した中山選手は、7周目、そして最終ラップに1台ずつ先行を許し、第7戦は5位で終えることとなった。

続けて行われる10周での戦いとなる、決勝レース第8戦がいよいよ正念場。ポールスタートのドライバーはスポット参戦とあって、タイトル争いに影響を及ぼさず。今、中山選手の目の前にいる3台の中で、最初にゴールした者に栄冠が輝くこととなった。
スタートではポジションキープとなった中山選手だったが、オープニングラップのうちにひとつ順位を上げて4番手に。そして、ポールシッターだったトップはひとり逃げていったが、4台で激しく牽制し合い、連なる中で中山選手は逆転の機会を待っていた。そして、7周目のヘアピンでインを刺して、中山選手は3番手に浮上。あと1台!抜けば王座返り咲きなるものの、逆に間隔は広がるように……。ゴール間際には背後から激しく攻められる中山選手ではあったが、最後はコンマ4秒差ながら振り切って、3位でフィニッシュ。その結果、チャンピオンにはあと一歩及ばなかったが、ランキング2位は獲得することとなった。

コメント

<末長一範選手>
土曜日のレースは、慎重に走り過ぎたというか、リズムがつかめないままは終わってしまいました。日曜日は、ちょっと頑張り過ぎましたね。トップとの差もだいぶ詰めていけたので、もう2 3周、冷静にいけば良かった。ただ前日の課題、いろんな形で中山選手から渡されたものを、少ない3周の中で改善というか、走りを変えられたのは良かったです。この感覚を忘れないうちに、このオフにはしっかり走り込みたいと思っています。

<中山雄一選手>
防戦一方で、守って、守っての3位でしたが、レースとしてはいい内容だったと思います。今、持っている現状の中で、最高の走りができたかな、という満足感はあるんですが、もうちょっと上を狙うには直線が遅すぎるので、そこを改善していかないと、3位が限度ではないでしょうか。とはいえ、全戦出場したドライバーとして、全戦冷静に走って取りこぼしなく戦えたので、悪くなかったシーズンだったと思います。

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