チームの初陣を地元で迎えるK-tunes Racing LM corsa
中山選手が10番手で予選Q1を突破し
ベテラン新田選手が、ウエットの予選Q2で6位を獲得
国内のモータースポーツシリーズで随一の人気と観客動員数を誇っているAUTOBACS SUPER GTの開幕戦が岡山国際サーキットで開催されている。
今季から新規チームとしてGT300 クラスに参戦する「K-tunes Racing LM corsa」。K-tunes Racing は、岡山トヨペットが母体となっているレーシングチームで、初陣がいきなりのホームコースとなる。チームとしてタッグを組むのは、5シーズンに渡って激戦のSUPER GTを戦ってきたLM corsaで、こちらも販売店の大阪トヨペットグループが母体となっている。
マシンは、昨シーズンのシリーズランキングで3位を獲得したJMS P.MU LMcorsa RC F GT3 で、ドライバーはGT300クラスの最多優勝記録を誇る新田守男選手と、昨年も同マシンのステアリング
を握っていた中山雄一選手がコンビを組む。昨シーズンに総監督を務めた影山正彦氏も監督として引き続きチームの指揮を執るなど、チーム体制は申し分ない。
SUPER GTの2018年シーズンは例年と同様の8戦のシリーズ戦で競われるが、唯一の海外戦となるタイラウンドが6月末の開催となり、夏場の過酷な1000kmレースだった鈴鹿ラウンドが走行
距離を短縮させて5月に実施されるなど、例年に対して開催スケジュールが大幅に変更された。
そして、開幕戦の岡山国際サーキットラウンドは、4月7日(土)と8日(日)の二日間のスケジュールが組まれていて、まずは公式練習が7日の午前9時から1時間45分間に渡り実施された。
天気予報では曇りだったが、岡山国際サーキットは明け方に降雨があり、8時過ぎに実施されたFIA-F4の予選では一部がウエット路面となっていて、その状況はSUPER GTの公式練習が開始されても変わらなかった。
まずK-tunes RC F GT3に乗り込んだのは、公式テストでマシンを仕上げてきた新田選手。数回のピットインを挟み18周を走行し、マシンのコンディションやタイヤの比較などを行なう。公式練習が折り返しを迎えると、トラブル車両の発生でコースには赤旗が提示されてセッションは中断する。このタイミングで新田選手から中山選手にドライバーチェンジ。公式テストはスケジュールの都合により欠席となったため、本格的にステアリングを握るのは今シーズン初となった。それでも昨年の1年間を戦い抜いたマシンということで、計測3周目にはベストタイムとなる1分26秒830をマークする。結果的に、このタイムが公式練習のベストで、順位は11番手となった。
<予選>
公式練習の終了から4時間のインターバルを経て行なわれた予選Q1。K-tunes RC F GT3には中山選手が乗り込む。コースインから4周に渡って十分にタイヤに熱を加え、タイムアタックを開始する。5周目には1分26秒043をマークし、翌周はクールダウン。再び7周目にアタックをなうが1分26秒192とタイム更新は果たせなかった。それでも10番手のタイムとなり予選Q1を見事に突破した。
GT500クラスの予選Q1を挟んで実施された予選Q2。スタート直前にコース上空を再び雨雲が覆い、ところどころで雨が降り出す。雨量はすぐに増し、予選Q2はウエット宣言が出された。新田選手がステアリングを握るK-tunes RC F GT3はレインタイヤを履いてコースイン。2周のウォームアップを行ない3周目に1分36秒543をマークし、4周目には1分35秒236までタイムアップする。翌周のアタックを続けたが、先行車に追いつきすぎたことやマシンの挙動が乱れたために、ここでアタックを止めてピットに戻る。K-tunes RC F GT3は予選Q2でも速さみせて6位を獲得した。明日の決勝レースは岡山トヨペットの大応援団が駆け付けるので、チームとしての初陣で好結果を残したいとチームの士気は上がっている。
コメント
<影山正彦監督>
シーズン前の公式テストでは、ライバル勢がどのような状態で走っているのか分からないのでチームがどのポジションにいるのか明確ではありませんでした。ですが、予選でQ1を突破して6位を獲得して力関係がはっきりしました。結果にはホッとしています。今シーズンは、新たなチーム体制となったので、確実な結果が出せて良かったと思います。岡山国際サーキットはRC F GT3 にとって得意とは言えないコースですが、チームの地元となるので攻めのレースをして、予選順位よりも上でゴールしたいです。
<新田守男選手>
3月の公式テストでは、全セッションでステアリングを握ってきたので、まず公式練習では持ち込みのセットアップを確かめるために乗り込みました。状態は悪くなかったと思います。予選Q1を中山選手が突破してくれて、Q2に臨みました。直前に雨が降り出したのでウエットタイヤでコースインして、想定したよりもタイヤの内圧が上がらなかったのと、アタックラップで前走車に詰まって若干のロスはありました。それでも、明日は6番手からスタートできるので、チームと私にとっての初陣としては良い内容だったと思います。
<中山雄一選手>
公式テストはスケジュールの都合で乗ることができず、今日の公式練習で久しぶりにRC F GT3に乗りました。セットアップの完成度は高く、最初から煮詰まっているのが分かりました。予選はQ1を担当して、入念にタイヤに熱を入れながらコンディションを確認してアタックに入り、タイムとしては少し詰められる部分はありましたが、全体的にはまとめられました。ライバル勢は速かったですが、自分の役割は果たせたと思っています。明日は、6番手から上位を狙っていきたいです。