K-tunes RC F GT3は公式練習からトップタイムを記録し予選Q1を新田守男選手が2番手で突破すると
予選Q2で中山雄一選手がコースレコードを樹立しポールポジションを獲得
2006年より12年に渡ってSUPER GTのシリーズ戦として、8月に実施されてきた伝統の「鈴鹿1000km」。だが、2018年はGTマシンの世界統一戦として開催されることになったため、SUPER GTの鈴鹿ラウンドは5 月に行なわれることになり、走行距離も通常のレースと同様の300kmに短縮された。装いも新たになったAUTOBACS SUPER GTシリーズの第3戦「SUZUKA GT 300km Fan Festival」は、5月19日(土)と20日(日)の二日間に掛けてスケジュールが組まれていて、19日に公式練習と予選、20日に決勝レースが実施される。
今シーズンからチーム体制を新たにして初参戦することになった「K-tunes Racing LM corsa」。地元開催となった開幕戦の岡山国際サーキットラウンドでは、予選で6位を獲得したものの決勝レースは14位でフィニッシュ。第2戦は予選が18位で、決勝レースが14位と本来の実力を発揮できないままでいる。
第3戦の舞台となる鈴鹿サーキットでは、4月16日と17日に第3回目の公式テストが実施され
ていて、K-tunes RC F GT3は、ウエットコンディションでトップタイム、ドライコンディションで2番手タイムと相性の良さをみせた。そのため、第3戦では本来のパフォーマンスをみせ、上位入賞することが期待されていた。
19日は、前夜に降った雨によって明け方はウエット路面が残っていたが、8時10分からスタートしたFIA-F4の予選でマシンが走行するとすぐに路面は乾き、ドライコンディションへと変化した。公式練習は予定通り9時に始まり、10時25分までがGT500クラスとGT300クラスの計44台による混走で、10時25分から35分の10分間がGT300クラスの専有走行となっている。
公式練習のコースオープンとともに中山雄一選手が乗り込んだK-tunes RC F GT3は、快走をみせる。計測5周目には早くもコースレコードに迫る1分57秒634をマーク。その後は、ピットインとアウトを繰り返してセットアップの調整や持ち込まれたタイヤの確認を行なう。そんな状況のなかでも計測16周目に1分57秒240を記録し、GT300クラスの従来のコースレコード1分57秒543を上回った。公式練習も残り30分を迎えると新田守男選手にドライバーをチェンジする。新田選手も8周を走行し7周目に1分57秒938をマーク。公式練習の結果は、中山選手によって記録されたタイムがGT300クラスのトップとなった。
<予選>
公式練習後に実施された15分間のサーキットサファリでは、新田選手がK-tunes RC F GT3に乗り込み予選前の最終確認を終えた。サーキットサファリから約3時間を空けて、予定通りに14時35分から実施された予選Q1。K-tunes RC F GT3 は、新田選手が再びステアリングを握ってコースイン。4周に渡って念入りにタイヤに熱を入れて計測5周目にタイムアタックを行なう。ライバル勢も公式練習からタイムアップする中で、新田選手も1分56秒965までタイムアップさせ、予選Q1を2番手で通過した。
GT500クラスの予選Q1を挟んで、15時30分から予選Q2がスタート。K-tunes RC F GT3に乗り込んだ中山雄一選手は、コースオープンとともにピットを離れる。2周に渡ってタイヤに熱を入れるとともにクリアラップが取れるような位置取りを行ない、3周目にアタックを実施。鈴鹿サーキットの4つのセクター全てで最速タイムをマークして、完璧なアタックラップを行ない、1分55秒531のコースレコードを樹立するとともにポールポジションを獲得した。
RC F GT3としても初のポールポジションを獲得したK-tunes Racing LM corsa。公式練習では安定したラップタイムで走行していたこともあり、明日の決勝レースは、ポールトゥウィンが期待される。
コメント
<影山正彦監督>
開幕戦こそ予選でQ2に進出できましたが、決勝レースでは2戦ともトップ10内に入ることができませんでした。そこで前戦が終了してからチームの懸命な作業によって大幅にセットアップを変更し、鈴鹿サーキットラウンドに臨みました。事前の公式テストでも相性が良いことは分かっていましたが、公式練習と予選ともに想像以上のタイムと結果が残せました。ドライバーを含めたチーム全員が確実な仕事をしたからこそ得られたポールポジションだと思います。チームの雰囲気は良く、モチベーションも高いので明日の決勝レースは、しっかりと結果を残したいです。
<新田守男選手>
公式練習で乗ったときは、バランスなどに若干の問題がありましたが、多少のアジャストで対応できる範囲でした。今回は、持ち込みの状態と用意されたタイヤがサーキットのコンディションに高い次元で合ってい
るようです。予選はQ1を担当したのですが、Q2に進出さえできれば中山選手が好結果を出してくれると思っていたので、是が非でも突破する気持ちでした。そのため、少し慎重になりすぎたかもしれませんが、タイムとしては2番手だったので良かったです。明日の決勝レースは、JAF-GT勢がタイヤ無交換などの戦略を採ると思いますが、どんな状況でもGT3勢のトップにいられるようにしたいです。
<中山雄一選手>
昨年からRC F GT3に乗っていますが、このマシンに初のポールポジションを与えられたことを嬉しく想います。今回は、公式練習から調子が良いことが感じられて、用意されたタイヤもコンディションにマッチしています。とくに予選のコンディションと合っていたようで、予選Q2では想像以上のタイムが出ました。2番手をコンマ5秒以上離せたことも驚きです。明日の決勝レースはポールポジションからのスタートになりますが、回りの戦略やタイムに惑わされることなく、自分達のレースを着実にこなせればと思っています。