前戦の鈴鹿で初優勝を飾った
K-tunes Racing LM corsa
RC F GT3が得意とする
タイでも強さをみせ、
予選Q1を新田選手が13位で突破し
予選Q2で中山選手が7位を獲得。
さらに繰り上がりにより
明日の決勝レースは、
5番手スタートから表彰台を目指す
SUPER GTシリーズの中で唯一の海外大会となるタイラウンドが、タイ東部のブリラムにあるチャン・インターナショナル・サーキットで開催される。2014年から実施されているタイラウンドは、2015年のみ今回と同様の6月開催となっていたが、昨年までは最終戦の前の10月に行なわれていた。今シーズンは、SUPER GTの年間スケジュールが変更されたことによって、タイラウンドが3年ぶりに6月の開催となった。
6月のタイは雨期の始まりで、10月開催のときにも心配されていたスコールがサーキットを包み込むこともあるはず。激しいスコールがレースに影響を与えることも予測され、予選と決勝レースともにチームの戦略や采配が勝負を分ける可能性も考えられる。
第4戦の「Chang SUPER GT RACE」は、6月30日(土)と7月1日(日)の二日間に掛けてスケジュールが組まれていて、19日に公式練習と予選、20日に300kmの決勝レースが行なわれる。
前戦の鈴鹿サーキットラウンドで、参戦開始からわずか3戦目にして初優勝を果たしたK-tunes Racing LM corsa。第4戦の舞台となるチャン・インターナショナル・サーキットは、昨年シーズンにRC F GT3が優勝を飾った相性の良いコースなので、前戦の優勝によって42Kgのウエイトハンデを積むものの上位入賞の期待は掛かる。
30日は、早朝から曇り空に覆われることもあったが、時折、日差しも差し込み気温は30℃付近まで上昇。路面温度も30℃を越え、ドライバーにもメカニックにも過酷な戦いとなった。公式練習は予定通りの10時からスタートし、11時25分までがGT500クラスとGT300クラスの計38台による混走で、11時25分から10分間がGT300 クラスの専有走行となっていた。
K-tunes RC F GT3には中山雄一選手が乗り込んで公式練習を開始。数回のピットインを繰り返して、持ち込みのセットアップやタイヤを確認する。計測10周目にはラップタイムを1分33秒台に入れて、12周目に新田守男選手にバトンタッチ。新田選手も13周を走行してマシンのバランスを確認する。その後は、再びK-tunes RC F GT3に中山選手が乗り込み、持ち込んでいるタイヤの比較やセットアップを進めて11周を走行した。公式練習の最後に設けられたGT300の専有時間になると新田選手がK-tunes RC F GT3のステアリングを握り、予選のシミュレーションを実施。計測39周目に1分33秒116のベストタイムをマークし、公式練習を10番手で終えた。
<予選>
公式練習が11時45分に終了し、1時間半のインターバルを経て13時15分からはピットウォークが開始された。このころまでは晴れ渡っていた空だが、次第に雨雲がチャン・インターナショナル・サーキットに押し寄せ、14時を過ぎるとスコールがサーキットを襲った。コースは一瞬にして濡れて、コースの一部は冠水するほどの状況となる。スコールは30分ほどで止んだが、コースはウエットコンディションとなり、GT300クラスの予選Q1は予定されていた15時から15分ディレイとなり15時15分から30分までの15分間で競われた。
15分遅れでスタートした予選Q1は、新田選手が担当。コースオープンとともにアタックを始めて計測4周目に1分46秒256をマークするが、これでは予選Q1を突破することが難しいと判断し、チームは新田選手をピットに呼び戻す。メカニックの敏速な作業で、タイヤをソフト側のレインタイヤに交換し、新田選手は再びコースイン。翌周に1分43秒516をマークし、際どい争いとなったが13番手で予選Q1を突破した。
続く予選Q2は、レコードライン上が乾きだしたために全車がスリックタイヤでアタックを行なう。K-tunes RC F GT3には中山選手が乗り込み計測を開始。徐々にコースコンディションが回復していく中で、計測5周目に1分33秒110のタイムをマークし、7位を獲得した。しかし、予選終了後に88号車のランボルギーニと10号車GT-Rの車両規定違反が判明したために、K-tunes RC F GT3は5番手から明日の決勝レースに臨むこととなった。
チャン.インターナショナル・サーキットは、昨シーズンにRC F GT3が優勝した相性の良いコース。5番手からのスタートだが、二連勝を目指して戦うことになる。
コメント
<影山正彦監督>
今回は前戦で優勝したマシンのセットアップから若干の変更は加えましたが、ほぼ同様の状況で走り始めました。公式練習で最初に乗った中山選手は、バランスが良いとのコメントで、続けて新田選手にも確認してもらいましたが同様のコメントだったため、セットアップは変えることなく走行しました。タイムとしては10番手でしたが、トップから1秒以内に15台ほど入る状況で、予選は熾烈な展開が予想されました。予選Q1は、選択したタイヤが思うように発熱しなかったためにヒヤヒヤしましたが、無事に13番手で突破できました。ドライとなった予選Q2は、実力を出し切っての7位だと思います。それでも上位2台が失格となり、明日の決勝レースは5番手からのスタートなので、表彰台を狙っていきたいです。
<新田守男選手>
公式練習で乗ったときはバランスが良かったのですが、タイムとしてはもう少し欲しかったですね。予選はQ1を担当し、チームとタイヤメーカーの判断により持ち込んだ中の硬めなレインタイヤを選択しました。しかし、最初の数周はグリップ感が薄く、段々と上がってはきましたが、このままだと予選Q1を突破できないかもしれないということで、ピットに戻ってソフト側のタイヤに履き替えました。最後までコースに留まっていたら、タイムアップが可能だったかもしれないので難しい判断でしたが、13番手ながらも突破できて良かったです。決勝レースは粘り強く戦い、蓋を開けてみたら表彰台争いをしているという展開にしたいです。