中山選手が担当した予選Q1は、
熾烈なタイムアタック合戦となり
トップと0.7秒差ながらも17番手で、
惜しくも予選Q2への進出を逃す
長丁場の決勝レースは、
定評あるチームワークで上位進出を狙う
シリーズ唯一の海外戦となるタイラウンドから約1カ月のインターバルを経て、AUTOBACS SUPER GTの第5戦「FUJI GT 500mile RACE」が富士スピードウェイで開催された。
富士スピードウェイでは毎年2回のSUPER GTが開催されていて、昨シーズンまでは5月が500kmの決勝レース、8月は通常の300kmとなっていた。だが、今シーズンは鈴鹿1000kmがSUPER GTのシリーズ戦から外れたこともあり、8月開催の今戦が500マイル(807km)と長丁場の耐久レースとなった。SUPER GTでは700km以上のレースになると、獲得できるポイントが引き上げられる。通常の決勝レースは、優勝すると20ポイント、2位が15ポイント、3位が11ポイントだが、700km以上だと優勝が25ポイント、2位が18ポイント、3位が13ポイントと、大幅にポイントを積み重ねるチャンスとなるのだ。
タイでの熱戦を終えたマシンは、船積みされて7月末に日本に到着。エンジニアやメカニックは、そこから、わずか1週間の間で富士スピードウェイラウンドへの準備を行ないサーキットへ乗り込んだ。
今シーズンからチーム体制を新たに初参戦することとなった「K-tunes Racing LM corsa」は、わずか3戦目の鈴鹿サーキットラウンドで優勝を果たし、第4戦のタイラウンドでは粘りの走行を見せて10位でポイントを獲得した。第4戦を終えた時点でドライバーズポイントが7位、チームポイントが8位となっていて、シリーズランキングでさらに上位に入るためには、大量ポイントの獲得が可能な今戦で確実に結果を残したい。
第5戦は、8月4日(土)、5日(日)の二日間に渡ってスケジュールが組まれていて、4日には公式練習と予選、5日には500マイルの決勝レースが実施される。
4日は、予定通りの8時40分に公式練習がスタートした。K-tunes RC F GT3には、まず中山雄一選手が乗り込み、持ち込みのセットアップや路面コンディションなどを確認する。計測6周目には1分38秒951をマークし、セットアップの方向性が間違っていなかったことが証明される。
その後は、数回のピットインを繰り返してタイヤの比較などを実施し、19周を走行して新田守男選手にバトンタッチする。新田選手は、決勝レースを想定したセットアップを試すなど19周を周回した。公式練習の結果は、中山選手がマークした1分38秒951がベストタイムとなり、14番手で終えることとなった。
<予選>
公式練習後には15分間のサーキットサファリが実施され、ここでは中山選手が8周を走行して予選前の最終チェックを行なった。
サーキットサファリの後は、ピットウォークや併催レースを間に挟みGT300クラスの予選は、14時35分に開始。K-tunes RC F GT3には中山選手が乗り込んで、予選Q1を戦った。3周に渡ってウォームアップを行なった中山選手は、4周目にタイムアタックを開始して1分39秒154をマーク。翌5周目もアタックを続行し、1分38秒684までタイムを短縮する。このタイムを計測した時点では、予選Q2へ進出できる14番手以内に入っていたが、15分の予選時間の最後にタイムを更新するマシンが多く、惜しくも17番手で予選Q2への進出を逃してしまった。しかし、トップタイムからコンマ7秒のギャップだったこともあり、ライバル勢との差は少ない。決勝レースを想定した公式練習の走行では安定したラップタイムを刻んでいたので、500マイルの耐久レースをコンスタントに周回すれば、上位入賞の可能性もある。
コメント
<影山正彦監督>
予選の結果だけを見ると、やはり富士スピードウェイは、RC F GT3に取って相性が良いコースとは言えません。それでも、決勝レースは500マイルと長丁場なので、的確な戦略を採れば上位へ進出することも可能だと思っています。明日は、諦めることなく我々のレースを行なって、ミスなく走っていきたいです。
<新田守男選手>
公式練習では多少のトラブルが出たこともありますが、決勝レースを見据えたセットアップができたと思います。昨シーズンに比べてリストリクターが小さいことやウエイトハンデが効いていて、一発のタイムは速くありません。そのため、予選Q1は厳しい戦いになると思っていましたが、その通りになってしまいました。しかし、トップのマシンともそれほど差がないので、決勝レースは表彰台を狙って走っていきます。
<中山雄一選手>
5月に富士スピードウェイで開催された第2戦よりは、セットアップを含めて良い状況になっていると感じています。ウエイトハンデやBoPの影響があるのでRC F GT3は、予選で上位に入るのは難しいと思っていました。それでも、タイヤのフィーリングやセットアップについては、決勝レースで上位を狙える可能性があります。500マイルの長いレースなので、明日はミスなくベストを尽くして走りたいです。