RC F GT3を駆り新規参戦する「K-tune Racing」
中山選手の不参加により新田選手のみでのテストとなるが
順調にテストプログラムを消化し、地元での開幕戦へ弾みを付ける
LM corsaとタッグを組み今シーズンから新規参戦する「K-tunes Racing LM corsa」。K-tunes Racingは岡山トヨペットが母体となるレーシングチームで、これまで86/BRZ Raceやインタープロトシリーズ、岡山チャレンジカップなどに参戦してきて、満を持して国内最高峰のスーパーGTにエントリーした。
マシンは、昨シーズンの最終戦までチャンピオンシップを争っていたLEXUS RC F GT3で、ドライバーはGT300クラスの最多優勝記録を誇る新田守男選手と、昨年も同マシンのステアリングを握っていた中山雄一選手の二人。使用するタイヤも昨年同様のブリヂストンで、監督も引き続き影山正彦氏が指揮を取るため、参戦初年度ながらも高い戦闘力によってチャンピオン候補の一角と目されている。
チームは1月末に富士スピードウェイで実施されたメーカー専有テストで今シーズンのスタートを切った。だが、あいにくの降雪によって周回を重ねることができなかった。続く、鈴鹿サーキットでのテストでもウエットコンディションやマシントラブルによって走行の機会を失っていた。実質的な初走行となったのが、3月17日(土)、18日(日)に岡山国際サーキットで行なわれたスーパーGTの公式テスト。
今回のスーパーGT公式テストは、シリーズエントリーしている44台のマシンが勢ぞろいし、ライバル勢の動向が初めて確認できる大事な場所となる。
初日の17日は、2時間の走行枠が2本設けられていて、まずは9時50分に1本目のセッションがスタート。今回のテストは、中山選手がニュルブルクリンクでの走行とバッティングしていて欠席となり、新田選手が一人で担当することになった。ほぼK-tunes RC F GT3の初ドライブとなったが、さすがにベテランらしく8周目には、このセッションのベストタイムとなる1分27秒962をマーク。2時間の走行枠で合計33周を走行し、結果は24番手となった。
14時からスタートした2本目のセッションは、ピットインを繰り返してセットアップを煮詰めて行く。開始1時間を過ぎたところでコンパウンドの異なるタイヤを導入し、初日のベストタイムとなる1分26秒556を記録する。その後も1分26秒台のラップタイムをマークし、上位勢と遜色ないパフォーマンスを発揮。2本目のセッションは10番手まで順位を上げて終了することになった。
一夜明けた18日は、9時から3本目のセッションが開始された。前日の調子を維持したまま、K-tunes RC F GT3はコンパウンドの異なるタイヤの比較やセットアップ作業を実施。セッション終盤には、今回のテストのベストタイムとなる1分26秒358をマーク。トップタイムから約0.8秒へとギャップを詰めていく。3本目のセッションも順調にテストプログラムを消化し、合計54周を走行。結果は12番手となった。
約2時間半のインターバルを経て14時30分から行なわれた最終セッション。ここでは予定通りにレースの実戦を想定したロングランを行なった。ロングランでも安定したタイムを刻み、周回を重ねてもタイムの落ち幅は少ないことが示された。
初の公式テストとなったK-tunes Racing LM corsaだったが、想定していたプログラムをトラブルなくこなし、チーム全員が実のある結果とデータが得られたと確信。来週には、富士スピードウェイでの公式テストが控えていて、そこでさらに状態を上げて、地元での開幕戦となる岡山国際サーキットラウンドに挑む。
コメント
<影山正彦監督>
2日間を通じて順調にプログラムを消化できて良いテストになりました。公式テストの前に富士スピードウェイと鈴鹿サーキットでメーカーテストに参加したのですが、雪や雨などでまともに走行できませんでした。新田選手は、これまでに数周しか走れずほぼ初走行です。それでもベテランらしくマシンにはすぐに慣れて、確実にデータを収集してくれました。ブリヂストンタイヤが用意してくれた複数のモデルを確かめることができ、有意義な内容と言えます。来週には富士スピードウェイでの公式テストが控えているので、より多くのデータを集めて、良い状態で開幕戦を迎えたいです。
<新田守男選手>
ドライバーが一人だったのですが、トラブルなく走行距離を稼ぐことができました。予定していたプログラムもこなし、マシンの特性も分かりました。昨年のデータと照らし合わせて整合性も取れましたし、納得いくテストでした。K-tunes RC F GT3は、昨年まで乗っていたFERRARI 488 GT3よりもフロントヘビーなマシンで、得意とするところが異なります。エンジン特性は、トルクがあって乗りやすい印象を受けました。ブリヂストンタイヤは想像通りのパフォーマンスで、課題も見えているので、次回の富士スピードウェイでのテストも含めて、よりセットアップを煮詰めて行ければと思います。