K-TUNES RACING

2024 Series Preview例年通りのレースカレンダー全8戦
ただし色々と変更された2024シーズン

いよいよSUPER GT 2024シーズンが開幕戦を迎える。今シーズン、どんなドラマが待っているのか?? まずはアウトラインから紹介しよう。 レーススケジュールは例年通りの全8戦。日程はほぼ去年と同じになっている。

去年は、かつて標準だった300kmレースと、その1.5倍となる450kmレースが設定されていた。富士、鈴鹿、オートポリスの計5レースが450kmとなっていた。
今シーズンはちょっと様相が変わっている。3つの300kmレースはそのままだが、450kmが消滅し、代わりに350km相当と3時間という2つのレース距離が設定された。
去年の450kmレースで、第2戦の富士では赤旗中断もFCYも出なかったのだが、100周を2時間33分36秒151というフィニッシュタイムとなった。3時間レースとなると、もう18周、つまり合計118周走ることになる。
第5戦の鈴鹿では3度FCYが出て合計9分7秒を費やしているが、77周を2時間33分27秒491となっていて、3時間となるとさらに14周走ることになる。
第7戦オートポリスは4度のFCYで合計10分52秒を使ったが、97周で2時間50分39秒062でフィニッシュしている。ここでは5周プラスになる。
ということで、昨年の450kmレースよりも3時間のほうが長距離となる。ただし、これはレースアクシデントが小さい場合だ。赤旗中断となるようなロスタイムが大きくなると、時間が消費されてしまい、レース距離=周回数は短くなっていく。
給油やタイヤ交換について、マシンの特性の差が現れにくいように、大会ごとに調整されることだろう。最終的にレースの周回数が予想よりも少なくなっていくと、余裕が残る燃料やタイヤとなり、面白い展開が待っているかもしれない。 周回数ではなく時間レースが設定されたことで、レース展開にも変化が生れそうだ。

予選方式が更新された。Q1とQ2のタイムを合算して、予選順位が決まる。GT500クラスはシンプルだが、GT300クラスについては少し複雑なシステムになる。それはエントリー台数が多いためだ。
去年までと同じように、Q1はA組とB組に分けられる。そして各組上位8台がQ2のグループ1に、各組9位以下はQ2のグループ2へと進む。そしてグループ1とグループ2それぞれで
Q1とQ2の合算で順位が決まる。
そしてさらにユニークなシステムが適用される。グループ1の13位から16位、グループ2の1位から4位は、グループの枠を超えて合算のタイム順に入れ替わる。Q2のグループ2になってしまったチームも、最高で13位まで順位を取り戻すことができるのだ。
これは文字では凄く判りにくいと思うので、図を作ってみたので参照してもらいたい。

また予選方式の変更は、タイヤにも及んでいる。これまでQ1とQ2はそれぞれマーキングしたタイヤを使用、そのどちらかが指定されレースをスタートしていた。今シーズンからの新しい予選方式では、Q1とQ2を同じタイヤで走り、なおかつレースのスタートでも使用することになった。つまり予選1回分の負担が増えることになる。
これまではレーススタートから何とかドライバーの最少周回数(3分の1以上の周回数)をクリアするまで持たせるのが一般的だったが、新しい予選方式ではどう変わるか注目したいところだ。
またレースウィークに使用できるタイヤの本数が1セット減って、300kmでは4セットとなった。350kmでは5セット、3時間では6セットとなるが、それでもタイヤ交換の回数を考えると少ない。つまり、タイヤの耐久性と性能のバランスが、耐久性重視へと見直されることになるわけだ。
マシンのレギュレーションに大きな変更はない。BoP(Balance of Performance=性能調整)はもちろん、最新のデータへと修正される。

ライバルたちの動向も少し紹介しよう。
新しいマシンとしては、フェラーリ296GT3がチーム・ルマンとPONOSから姿を現す。カーナンバーは6と45。
スーパー耐久で活躍してきたアストンマーチン・バンテージGT3が、SUPER GTにも登場する。もちろんDステーションカラーで、カーナンバーは777だ。
スーパー耐久といえばヘルム・モータースポーツもGT-R NISMO GT3で参戦する。カーナンバーは62。
LEXUS RC F GT3は、K-tunes Racingの他に、昨年同様に50号車ANEST IWATA Racingが参戦し、合計2台だ。LEXUSといえば#31 LC500hはさらに速さを磨き上げていると、かなり強敵になることだろう。
昨年はBoPの影響もあって苦しいシーズンを送ったGT-R勢は、他のマシンへ変更したチームがあり、数は減っているが、今年はどうだろうか?
レース距離が伸び、タイヤの負担が大きくなるということから、GT300(旧JAF-GT) 勢が有利というのが一般的な展望だ。しかしFIA-GT3勢にとっては、タイヤの性能バランスが変化することで有利になる可能性もある。
もちろん最も気になるのは、K-tunes Racing 96号車の動向だ。3年目を迎えるゴールデンコンビ、新田守男選手と高木真一選手。積み上げてきたノウハウと進化し続けるタンロップタイヤを、2人がどう使いこなしてくれるのか?? ゴールデンコンビが復活してから、残念ながらまだ表彰台に立っていない。
影山正彦チーム監督の「まずは表彰台、そして優勝を目標に、シーズンを戦います。今シーズンも応援よろしくお願いします」とのコメントで、締めくくっておこう。

カレンダー

2024 AUTOBACS SUPER GT カレンダー

Rd.開催日程開催サーキットレース距離
第1戦4月13日(土)〜14日(日)岡山県 岡山国際サーキット300km
第2戦5月3日(金・祝)〜4日(土・祝)静岡県 富士スピードウェイ3時間
第3戦6月1日(土)〜2日(日)三重県 鈴鹿サーキット3時間
第4戦8月3日(土)〜4日(日)静岡県 富士スピードウェイ350km
第5戦8月31日(土)〜9月1日(日)三重県 鈴鹿サーキット350km
第6戦9月21日(土)〜22日(日)宮城県 スポーツランドSUGO300km
第7戦10月19日(土)〜20日(日)大分県 オートポリス3時間
第8戦11月2日(土)〜3日(日)栃木県 モビリティリゾートもてぎ300km