LEXUS RC F GT3 #96安定感のある走りだが速さが不足
次戦に向けて進化が求められる

梅雨時期ゆえに心配された天候だったが、雨が降ることはなく、レースウィークは恵まれた。開幕戦、GT3クラスに集まったのは10台。昨シーズンと比較して少ない印象だが、中国勢などが参加できない日本限定となるJapan CUPオンリーだからだ。
96号車の末長一範/新田守男組は、2年目のコンビ。昨年も開幕戦と最終戦で完走を果たしている。参戦するGT3のPA(プラチナ・アマチュア)クラスの参加台数は4台と少ないため、上位入賞のチャンスも大きい。だがレース前、今シーズンのBoP(性能調整)に合致していないことが判明。マシンのセッティングを変更することになり、それが速さを失わせることになってしまった。
公式予選では2戦ともに4位。決勝レースでもやはりペースは苦しく、少しずつ離されていってしまう。第1レースはそのまま4位となった。
第2レースではスタートの新田守男選手がペースを高めたが、ギャップは広がってしまった。さらにドライバー交代で規定時間が1秒不足してしまうミスが発生。ピットストップペナルティとなってしまい、大きくタイムロス。結果として、2レースともに4位でレースを終えた。
新田守男選手は「レギュレーションで車高が上がりダウンフォースが不足してしまったのが速さを失う原因でした。次戦までに改善したいと思います」と語った。

Ferrari 296GT3 #982戦ともにポールポジションを獲得
だが決勝レースでは2戦とも2位に

K-tunes Racingがサポートするフェラーリ296GT3は、山脇大輔/高木真一組が走らせる。SUPER GT、スーパー耐久など経験値が高い山脇選手は速さも十分で、高木真一選手とともにポールポジションを獲得。大きく注目される存在となった。
第1戦、ポールスタートの山脇大輔選手は何とかポジションをキープし、高木真一選手へと交代したものの、残念ながら笹原右京選手にオーバーテイクを許し、2位フィニッシュ。
第2戦は高木真一選手がポールスタートだったが、スタート直後の1コーナーで3位に。その後、交代した山脇大輔選手が2位へと巻き返し、2戦ともに2位という好結果を残した。

GR SUPRA GT4 #97走れば走るほどタイムが上がる
永井良周のスキルアップに注目

N1-86レースからのステップアップを果たした永井良周選手が、SUPER GTチーム監督の影山正彦選手と組み、GR Supra GT4で参戦した。ただし2人ともにGTワールドチャレンジ初参戦であり、GR Supra GT4を走らせた経験はほとんどなく、レースウィークを迎えることになった。
昨年からスーパー耐久への参戦を始めた影山選手は、ドライバーへのコーティングでも高い評価を受けている。マシンのセッティング修正やアドバイスの効果もあったのか、土曜日までの練習走行で永井選手は着実な進化を遂げ、公式予選を迎えた。
今回のGT4 SAクラスには5台がエントリー。まだ熟成不足が否めない状況でもあり、ともに予選は5位となった。それでも永井良周選手はターゲットとしていた1分30秒台を記録して自己ベストを更新。走れば走るほどタイムアップしていく様は、本当に頼もしい。
第1レースは永井良周選手がスタートドライバーであり、スタートでやや慎重でギャップは広がったものの、その後は1分32秒台の安定したペースでレースを進めた。影山正彦選手は1分31秒台で追いあげたものの5位でチェッカーを受けた。
第2レースでは影山正彦選手が1分30秒台へとペースを上げ、永井良周選手は苦しくなったタイヤを上手く使い、5位となった。無事レースを戦い切ることができた。
レース後、影山正彦選手は「永井選手は着実に成長しています。ボクとのタイム差も小さくなってきました(笑)。これからのシーズンが楽しみですね」とコメントしてくれた。